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櫛形山脈縦走


【日時】 2000年11月25日(土) 日帰り
【メンバー】 トントン、象、北極熊、岡本 合計4名
【天候】 晴

【山域】 櫛形山脈
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
白鳥山・しらとりやま・298m・なし・新潟県
興屋沢の峰・こうやさわのみね・330m・なし・新潟県
鳥坂山・とっさかやま・438.5m・三等三角点・新潟県
ユズリハの峰・ゆずりはのみね・385m・なし・新潟県
黒中山・くろちゅうやま・446.4m・四等三角点・新潟県
板入峰・いたいりのみね・446.4・四等三角点・新潟県
羽黒山・はぐろやま・425.9m・三等三角点・新潟県
飯角山・いいずみやま・490.5m・四等三角点・新潟県
櫛形山・くしがたやま・568.0m・二等三角点・新潟県
法印峰・ほういんのみね・501.7m・四等三角点・新潟県
大峰山・おおみねやま・399.5m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上、新潟/中条、新発田/中条、菅谷
【ガイド】 新ハイキング95年4月474号
【温泉】 胎内グランドホテル 300円 ボディーシャンプー

【時間記録】 4:50 新潟発=(R.17 経由)=5:40 道の駅加治川=6:00 寺沢林道終点〜6:10 発=(R.17)=6:32 白鳥公園〜6:42 発―7:07 縦走路分岐―7:12 白鳥山〜7:20 発―7:23 縦走路分岐―7:32 興屋沢の峰―7:55 鳥坂山〜8:03 発―8:20 ユズリハの峰―8:41 黒中山―8:51 板入峰〜9:03 発―9:33 羽黒山―10:04 飯角山〜10:11 発―10:18 飯角分岐―10:50 櫛形山〜12:05 発―12:45 法印峰―13:20 林道〜13:27 発―13:44 大峰山〜13:53 発―14:04 展望台〜14:39 発―15:02 寺沢林道終点=(胎内グランドホテル入浴(300円)、R.7 、七社、紫雲寺、聖籠IC、R.7 経由)=18:10 新潟着

 櫛形山脈は、日本海沿いに広がり、胎内川と加治川によって両端が切りおとされた、全長約13キロメートルの山塊である。25000分の1図に山脈と記されている唯一の例といわれ、日本一のミニ山脈と呼ばれている。北部の白鳥山と鳥坂山、中央部の櫛形山、南部の大峰山が、それぞれ日帰り山行の山として親しまれているが、それらを結ぶ縦走路がハイキングコースとして整備されている。
 インターネットの知り合いのトントンさん一行が櫛形山脈縦走を行いたいというので、一緒に歩くことになった。
 95年4月8日に櫛形山脈縦走を試みた時は、思わぬ残雪に苦労して、白鳥山から櫛形山までの半縦走に終わった。今年の2月に、会山行の山中1泊の雪山縦走として大峰山から白鳥山まで歩いて縦走を果たしたものの、通常のハイキングとして歩いていないのが気になっていた。
 櫛形山脈縦走といっても、ガイドブックを見ると、はしょってしまって、関沢登山口から櫛形山に登り、白鳥山まで歩くというものが多い。今回は、白鳥山から大峰山まで通しで歩くことにしたが、11月も末で日没が早まっており、時間に余裕がないのが気掛かりであった。あと1時間余裕があれば、箱岩峠までとも思ったのだが、無理はしないのが無難である。
 集合は道の駅「加治川」に6時頃とした。少し早めに到着して、朝食でもと思っていたら、トントンさん一行も到着して、まずは大峰山登山口に向かうことにした。6時前ではあたりは暗く、国道からの入り口を間違えて、住宅地の中で方向転換をするミスをいきなりやってしまった。時間の関係もあり、願文山は省略することにして、寺沢林道終点に車を一台置くことにした。昼間は混み合うであろう登山口も、6時とあっては、誰もいなかった。
 国道に戻って登山口の白鳥公園に向かった。明るくなってきた空をバックに、櫛形山脈は長々と続いていた。白鳥公園の入口は、標識が無いために判りにくいが、中条スポーツセンターの看板が目印である。国道から脇道に入り、右手にゴルフ練習場への道を分けて、左の道に入る。高みに向かってつづら折りを繰り返すと、公園の駐車場となる。
 11月末とは思えないような暖かく穏やかな朝であった。まずは、記念写真を撮ってから歩き始めた。この後、下山まで何度も記念写真を撮ることになった。白鳥山に向かっては、急な登りが続いた。ひと汗かいて薄着になり、もうひと頑張りしたところで、縦走路の分岐に到着した。大峰山への縦走路は左方向であるが、まずは右に曲がって白鳥山山頂をめざした。
 城跡の空堀を越えていくと、あずま屋の置かれた白鳥山に到着した。眼下には、中条付近の町並みや日本海の海岸線が広がっていた。気温が高いためか、粟島や佐渡ヶ島はもやの中に隠れていた。大峰山は陰になって見えなかったが、櫛形山は、遥か遠くに見えた。「遠いなあ」という言葉は、縦走中に何度も出てきて、この日の合い言葉になった。
 いよいよ縦走の開始。まずは、マイクロウェーブの中継塔の立つ興屋沢の峰を通過。小さなピークを越しながら登りを続けると、鳥坂山に到着。胎内川を隔てて、高坪山が目の前に広がっていた。山頂には、丸いテーブル状の展望板が置かれていたが、簡単に中条町とか国道何号線とか記されているだけで、山に関しては、飯豊連峰と弥彦山と書いてあるだけで、まったく役立たずの看板であった。
 冗談をいいながら縦走路を行き、ユズリハの峰を通過して黒中山に到着。黒中山は、四等三角点が置かれた小ピークである。黒川中学校への登山道が分かれていることから付けられた名前のようであるが、山にかってな名前を付けるのは感心しない。道路地図を見ると、黒中橋というのもあるようである。
 登山道の周辺は、ナラやブナの雑木林が続き、登山道の上には厚く落ち葉が積もっていた。無数の小さな蛾が、残り少ない陽射しに誘われるように、落ち葉の上を乱舞していた。
 鼓岡への道が分かれる板入峰で、ひと休みした。縦走路は、ここから南西に方向を変えることになる。落ち葉の敷き詰められたブナ林の中の広場は、気持ちの良い休み場であった。木立を通して、遠ざかった白鳥山を眺めることができた。
 雑木林の中の縦走を行くと、左手が伐採地となり、三角点の置かれた羽黒山に到着した。東面は遮るもののない展望が広がっていたが、飯豊連峰はシルエットになって、よく見分けることができなかった。展望を楽しむには、もう少し太陽が高くなるまで待つ必要があった。
 飯角山が近づくにつれ、登山者にもすれ違うようになった。足も重くなって昼の休憩が待ち遠しくなったが、櫛形山までもうひと頑張りすることにした。この縦走路は、小さなアップダウンが多く、めざす山頂というのが判りにくい。
 櫛形山の山頂は、ベンチが設けられ、胎内から飯豊方面の展望が広がっていた。目の前にとがった山頂を見せているのは、風倉山だろうか。杁差岳や北股岳、大日岳も見分けることができるようになり、二王子岳が大きく広がっていた。櫛形山脈の最高峰といっても568.0mの標高しかないが、盟主に相応しく、一級の展望地であった。この山頂は三度目であるが、これまでの二度とも雪庇が高く張り出して、看板は埋もれた状態になっていた。ここの三角点には、始めてお目にかかったことになる。時間も計画通りで、ゆっくりと昼休みをとることができた。
 休んでいると、他の登山者も到着して、山頂は賑わうようになった。中には、採ってきたキノコを見せて顰蹙ものの卑わいな冗談を言う、酔っぱらいのおじさんもいた。白鳥山まで縦走すると言っていたが、腰を据えて何本ものビールを空けて、さっさと歩き出さないことには途中で日が暮れてしまうことが判っていないようであった。
 櫛形山付近は、縦走路で一番の美しいブナ林が広がっている。関沢への登山道を分けると、次の目標は、法印峰。ようやく法印峰を越せば、大沢の源頭部越しに大峰山の山頂が目の前に迫ってきた。もっとも、U字形に辿る縦走路は、「まだ遠ーい」。ここまでの縦走路は、小さなピークを忠実に乗り越えてきたが、ここからは、稜線の下を巻く所も出てきた。少し急な斜面には、杭に渡された手摺状のロープが続いて、充分過ぎる程整備の行き届いた道になった。これは中部北陸遊歩道として整備されているためである。
 アンテナの中継基地の置かれたピークを下ると、櫛形林道に飛び出してひと休み。大峰山への最後の登りになるが、緩やかな登りが続いて、疲れてきた足には助かる。振り返ると、飯豊連峰が西日に照らされて、白く輝くのが見えた。大峰山の山頂は、木立に囲まれて、地味な山頂であるが、はるばる歩いてきて到着した山頂はうれしかった。後は林道まで下るだけで、展望広場で、ゆっくりと最後の休みを取ることにした。
 展望広場は、5組程のグループが腰を下ろしているものの、意外に静まりかえっていた。午後になって、おおかたの登山者は下山してしまったようであった。お湯を沸かして、風景を楽しみながら、最後の一服とした。白鳥山が、尾根の端に、遠くに見えていた。
 林道に向かって下山を始め、谷間に入ると日も陰り、3時前だというのに、すっかり夕暮れが近づいてきたような感じになった。遊歩道として整備されている登山道は歩きやすく、縦走最後の歩きにとっては楽で有り難かった。朝の歩き始めから8時間を越しており、長い歩きであった。
 下山後、車の回収のために白鳥公園に戻り、その後、胎内グランドホテルで入浴して解散とした。

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