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菱ヶ岳


【日時】 2000年7月9日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
野須張峰・のすばりみね・902..8m・三等三角点・新潟県
大日山・だいにちやま・924m・なし・新潟県
菱ヶ岳・ひしがたけ・973.5m・二等三角点・新潟県

【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/馬下、出湯
【ガイド】 メーリングシスト情報(鈴木眞さん、他)

【時間記録】 7:00 新潟発(R.49、取上橋、石戸 経由)=800 菱ヶ岳登山口南口〜8:20 発―8:25 大山神社―9:21 492ピーク〜9:26 発―9:51 釜場清水〜9:55 発―10:16 820ピーク―10:31 野須張峰〜10:51 発―11:11 大日山(西山見晴どころ)―11:41 菱ヶ岳〜11:45 発―12:13 大日山(西山見晴どころ)〜12:38 発―12:59 野須張峰―13:10 820ピーク―13:25 釜場清水〜13:30 発―13:48 492ピーク〜13:56 発―14:25 大山神社―14:29 菱ヶ岳登山口南口=(往路を戻る)=16:00 新潟着

 新潟平野に面して加治川と阿賀野川の間に広がる五頭山塊の最高峰は、菱ヶ岳である。これまで菱ヶ岳へは、メインコースにあたる村杉温泉、裏コースといえる中ノ沢、さらに五頭山からの縦走路といった登山道が利用されてきた。最近、南の石戸集落から野須張峰へ登り、大日山を経て菱ヶ岳に至るコースが開かれた。五頭山塊の縦走路は、菱ヶ岳から松平山の間と南端の宝珠山のみであったが、この登山道の開通によって、少し区間が延びたことになる。

 インターネットの情報で、菱ヶ岳への新しい登山道が開かれたことを知った。鈴木眞さんも歩いてきたということで、これは行かなければならないということになった。コースを聞くと、野須張峰に登り着いて、大日山を越えて菱ヶ岳に至るというコースであるという。今年の3月12日に、吉田さんを加えた三人で宝珠山から菱ヶ岳への縦走を行ったが、それというのも、この区間には登山道が無いと思っていたからである。雪の無い時にはどのような様子であるのか、興味を持った。
 R.49を走り取上橋を渡ったところで左折。阿賀高原ゴルフ倶楽部への道を右に分け、石戸川を渡って石戸の集落内に入った。民家の壁に菱ヶ岳登山口を示す表示があったので、右折すると、沢沿いの道になった。小さな沢が左から入る所で、菱ヶ岳登山口南口と書かれた立派な標柱が立っていた。山頂までは5.2kmとあり、それなりに歩きでがありそうであった。その手前に5台程のスペースがあり、車を置いた。歩き出そうとする時、二台の車が到着した。
 緩やかな道を登っていくと、木の鳥居が並んだ大山神社にが現れた。この手前を左折すると杉の植林地の登りになった。高度を上げると、尾根も明瞭になり、ブナやナラの雑木林が周囲に広がるようになった。最初の目標地点の492ピークに出てひと休み。木立が切り開かれており、展望が広がっていた。土曜日は台風の通過によって終日雨であったが、日曜も台風一過の晴天とはいかず、雲が残った曇り空で、山の山頂部は雲に隠されていた。背後には黒山が大きな姿を見せていたが、五頭の主稜線はガスで隠されていた。759m ピークが目の前で、コースはそこを通るように思ってしまうが、間には谷が入っている。492ピークからは、僅かに下って、右方向から巻くように尾根が続いていた。左手に沢音が聞こえてきてが、尾根も高度を上げていくため、谷はなかなか浅くならなかった。
 山の斜面に行き当たったところで、刈り払われた広場が現れ、釜場清水という標識が立てられていた。荷物を置き、コップを持って左手の沢に水を汲みにいった。沢の流れは豊富で、しばらくは涸れそうになかった。ここまで、結構汗を流したので、この水場は有り難かった。
 釜場清水からは、ブナ林の中の急な登りが始まった。ここが一番の辛抱所であった。820m地点の小ピークの脇に出ると、急登は終わり、主稜線まではもうひと頑張りになった。ここからは、笹原の中の道となったが、刈り払いが荒く、夏草も延びており、足下に注意しながら歩く必要があった。
 登り着いたピークは、野須張峰という。3月の時は、灌木は雪の下で一面の雪原が広がっていたが、夏の今は身の丈を超す灌木帯の刈り払い道になっていた。このピークには三等三角点が置かれている。鈴木さんが見つけることができなかったというのを聞いて、点の記のコピーを用意してきた。崖から1.5mは良いとして、他の目印の二本の木がどれか判らなかった。藪に潜って、崖縁から1.5m程の所を探ってみたが、見つけることはできなかった。葉が落ちた秋にでも、笹を刈り払うことでもしなければ、この三角点は見つけることはできそうにない。
 野須張峰から緩やかに下って、ひとつピークを越すと大日山の山頂になる。この付近は、冬の時には一面の雪原で大きな雪庇が発達していたなと、前の山行を思い出しながら歩いた。大日山の山頂には、「西山見晴どころ」という標識が立てられ、灌木も腰ほどの高さになって、周囲の展望が開けていた。緩やかに起伏する稜線の先には、菱ヶ岳が頭をのぞかせており、標高以上の高山の雰囲気がただよっていた。大日山から菱ヶ岳へは、80m下って130mの登り。先回は、鞍部付近で痩せ尾根の通過に苦労したが、今回は登山道をたどっていれば良い。ブナ林の中の巻き道から尾根に上がると、再び巻き道、というようにジグザグの登りを続けた。
 菱ヶ岳の山頂には、単独行が一人休んでいた。木が茂って、周囲の展望はなにもない山頂であった。先回の3月は別として、第一回目の5月の時は、それ程木が茂っているとは思わなかったのだが、季節によっても山頂の雰囲気は大きく変わるようである。山頂には、石戸へという標識も付けられていた。
 菱ヶ岳の山頂は展望が無かったので、大日山に戻ってから昼休みにすることにした。大日山の山頂が、このコース一番の展望地であった。ビール片手に腰を下ろし、流れる雲によって見え隠れする菱ヶ岳の山頂を眺めた。
 下山の途中、野須張峰山頂付近で単独行と二人連れに出会った。このコースも結構知られてきているようである。もっとも、利用者が増えないことには、稜線部の笹原道が藪に帰ってしまう可能性も大きそうである。こういった新しい登山道の整備を、地元の新聞などはもっと取り上げてもらいたいものである。
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