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蕗山


【日時】 2000年4月16日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り時々雨

【山域】 守門岳周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 蕗山・ふきやま・566.4m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/栃堀、光明山
【ガイド】 点の記、新潟の低山薮山

【時間記録】 6:30 新潟発=(北陸自動車道、三条燕IC、R.289、八木、越後長野 経由)=8:00 葎谷〜8:37 発―8:44 第二鉄橋〜8:49 発―9:34 露岩帯―9:54 稜線―10:09 蕗山〜10:47 発―10:57 稜線―11:13 露岩帯―11:36 第二鉄橋―11:42 葎谷=(越後長野、八木、R.289、荒沢、上谷地、R.290、黒水、加茂、R.403、茅野山IC 経由)=14:30 新潟着

 蕗山は、守門岳の北山麓、守門川右岸にある二等三角点峰である。粟ヶ岳、川内山塊、守門岳に面する位置にあり、山頂からは、周囲の展望を楽しむことができる。

 蕗山が気になったのは、二等三角点が置かれており、20万分の1地図で、その山名が良く目立つことからである。点の記を見ると、この点名は、葎谷(むぐらだに、地図には「もぐらだに」と振り仮名)となっており、葎谷の集落の山であることが判る。さらに、歩道状況:山道(巾1.5m)と記載されいる。「新潟の低山薮山」では、濁沢方面からの尾根を雪を使って登っているが、雪解けの進んだ今の時期では、この山道を期待するしかない。
 先週に続いての下田通いになった。あいにくと冬型の天候となり、近づく山の山頂部は雲で覆われ、時折雨粒も落ちてきた。先週利用した越後長岡温泉・嵐渓荘の前を通り過ぎて、吉ヶ平方向に進んだ。葎谷の集落の入口に車を停めて、まずは守門川にかかる橋を捜しに出かけた。幅2m程の鉄板を渡した橋がかかっており、しっかりした山道が続いていた。車に戻る途中で、タイヤを交換中のおじさんがいたので、蕗山への山道について尋ねた。蕗山への道は、炭焼き道として利用されていたものの、最近は歩かれてはいないということであった。ただ、この季節なら、辿れるだろうということであった。尾根を指さして、手前に見える、松の木が生えて途中でくびれている尾根に道があると教えてくれた。点の記に書かれていた山道の存在を確かめることができて、ひとまずホットした。
 橋へ下りる手前の車道終点が袋小路になっており、車一台のスペースがあった。車を移動して、出発の準備をした。第一の橋で守門川、第二の橋で田麦沢の右岸に渡った。畑や杉の植林地もあり、しっかりした道が谷の奥に続いていた。第二の橋を渡った所で、すぐに沢を踏み石伝いに渡ると、高みに向かってジグザグに登っていく山道が現れた。予想以上にしっかりした道であった。ひと安心したのもつかのま、本降りの雨になり、雨具を着込むことになった。雨の日の薮漕ぎはあまり気勢が上がらない。右手に沢を見下ろしながら進んでいくと、こんな山中にと思うような田圃が現れた。さらに進んでいくと、その奥にも田圃が現れた。残雪もあって、廃田になっているのかどうかは良く判らなかった。はっきりした道は、ここで終わっていた。途中で、尾根への取り付きを見落としてきた可能性もあり、ここから左上に走っている尾根に上がることにした。薮もそうひどくなく、尾根の上にたいした苦労も無く上がることができた。しかし、尾根の上には踏み跡はなく、潅木の枝が横に張り出して、歩きにくい状態であった。展望は開けており、進む尾根の方向は目で確認できるので、枝をかき分けながら進んだ。
 尾根が右に緩やかに曲がっていき、再び山に向かって左に方向を変える所で、右下から上がってきた山道に飛び出した。1.5mの幅は無く、人一人の幅の踏み跡ではあるが、辿るには充分な道であった。下をうかがうと、枝尾根の上に続いているようであった。この山道には、もっと谷の奥に進んでから取り付く必要があったようである。枝は手で払う必要はあったが、順調な登りになった。葉の茂った季節では、難しいかもしれないが、早春や晩秋には問題なく辿ることのできる道であった。ひと登りすると、痩せ尾根が現れた。周囲の展望が開けて、蕗山の山頂も近づいて見え、背後に芝倉山が大きく聳えていた。左右は崩壊地になっており、道幅は充分とはいえ、岩の上には苔が付いて濡れてもおり、慎重な通過が必要であった。痩せ尾根を通過すると、枝を掴んで腕力の助けもかりながらの、急な登りが始まった。稜線に近づくと、山腹の直登になった。下りの際には、踏み跡を見落とさないように注意が必要であったので、ここは赤布を付けながら登った方が良いであろう。
 稜線上に飛び出すと、雪原の向こうに蕗山の山頂が、頭を持ち上げていた。山頂の北西の530mの肩に飛び出したようである。山頂までは、もうひと登りであった。残雪で枝が寝ており、歩きづらくなっていた。蕗山の山頂は、雪の広場になっており、周囲の展望が開けていた。残念ながら、三角点は雪の下であった。黒雲が流れてきては、あられが降ってくるという天気のため、山の姿が現れるのを待つ必要があった。粟ヶ岳や守門岳の山頂部は最後まで姿を現さなかったが、先週登った烏帽子岳が姿を現し、山頂部の雪の回廊も眺めることができて、ずっと以前の山行のようになつかしく思った。目の前に佇む、スラブをまとった鋭鋒が気になったが、これは645mの無名峰であった。尾根続きではあるが、山頂部が切り立って、登るのは難しそうであった。この一帯の最高峰であるが、名前がないことには登る気が起きない。
 天気は回復しそうにないので、下山に移った。急坂を足早に下り、露岩帯を通過すると、直に山道に飛び出した地点に戻ることができた。下っていくと、枝尾根の上に踏み跡は続いていた。最後に尾根を外れて右に下り、杉林を通り抜けると、道を見失った田圃の地点に戻ることができた。結局、山道の入り方は、「田圃の先に10本位の杉林がある。ここを通り抜けて谷の奥に進むと、左上から枝尾根が落ち込んできて、この尾根に上がるように山道が続いている。」という風になるであろうか。
 小雨の中の薮漕ぎで濡れてしまい、この日の山登りはこれで充分ということになった。
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