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大峰山


【日時】 2000年4月8日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 長岡東山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 大峰山・おおみねやま・566.4m(573m)・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/長岡/片貝、半蔵金
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:20 新潟発=(北陸自動車道、中之島見附IC、R.8、横枕 経由)=9:45 村松町回転場〜10:00 発―10:12 送電線(魚沼線)下―10:22 水平道―11:41 530mピーク―12:01 大峰山三角点ピーク―12:04 大峰山〜12:14 発―12:17 大峰山三角点ピーク―12:36 530mピーク〜12:46 発―13:45 水平道―13:52 送電線下―14:08 村松町回転場=(往路を戻る)=15:50 新潟着

 長岡市の東に南北に連なる東山連峰は、鋸山を中心とした700m級の峰の連なりである。その主稜線の前衛となる幾つかのピークがあり、山塊に奥行きを与えている。大峰山は、東山の南西部に位置する前衛峰である。地形図には、登山道の破線が記載されているが、現在ではとぎれとぎれにかすかな踏み跡が認められるといった程度である。

 97年10月4日に風谷山に登ったあとで、地形図に登山道の破線が記入されているこの大峰山に注目して、もうひと山とばかりに歩きだそうとしたが、地図にある登山道を見つけることができなかった。夏草がまだうるさい季節であったので、今年の1月9日に金倉山に向かう前に、再度尾根の取り付き付近を偵察し、やはり道はなさそうだという結論に達した。登るのなら残雪の季節が良いだろうということで、春を待つことにした。
 峡彩ランタン会での会山行に参加して雪山を歩いているうちに、めっきり暖かくなってしまった。低い山では、雪消えを気にする必要もでてきた。春にせかされるように、大峰山に出かけることにした。
 地図に記載されている登山道が無いことから、大峰山への登り方を自分なりに考えた。三通りのコースが考えられる。ひとつは、地図に記されている破線通りに西尾根を登るもの。二番目は、南蛮山への林道から峰伝いに南下するもの。しかし、まだ林道が雪に覆われており、体力的に大変になりそう。三番目は、東面の竹之高地町から東尾根を登るもの。ため池マークがかなり高い所にもあるので、途中まで農道を利用できそうであったが、裏口からの登山という感じをいなめない。結局、薮漕ぎ覚悟で、西尾根を登ることにした。
 登山口の村松町付近は、道路の幅が狭くて車の置き場所が無いが、太田川を村松橋で渡った先の回転場に、大きな空き地があるので、ここに車を置くことができる。周辺の山から雪はすっかり消えており、時期的に遅れをとったかと少し後悔した。村松橋を渡りかえし、円融寺の門前を過ぎて太田川の右岸沿いに進むと、山に向かって上がる道が現れた。少し登ると、右手に十二神の大きな石碑とお堂が現れた。このお堂の左側を抜けて、段々になった休耕田の間を登っていくと、右手に錦鯉が泳ぐため池が現れて、その先で、送電線の巡視路が横切っていた。ショウジョウバカマが今が盛りとばかりに花をひらいていた。杉林の中の沢状の窪地を登っていき、正面の雑木林の斜面を右にトラバースしながら登ると、水平に付けられた明瞭な道が現れる。この道は、円融寺の奥から始まり、大峰山の南西に入り込んでいる谷の奥に続いていることが、以前の偵察で確かめている。大峰山の麓は、里に近いためか、植林の作業道や簡易水道の保守道が複雑に入り組んでおり、分かり難い。水平動を横切ると、大峰山の山頂に通じる西尾根が始まる。歩くのはそう難しくはないものの、歩きやすいところを探しながらの歩きになった。もっとも、尾根の南には谷が沿っているので、迷子になる心配は少なかった。雑木林の中にはマンサクの木が多く、黄色い花を楽しむことができた。途中から、踏み跡が見られるようになった。尾根上には、所々杉が植林されているので、そのための作業道なのかもしれない。尾根の途中は、段々に整地されており、枯れ草に覆われた原になっていた。昔は、このような高い所まで段々畑が作られていたのだろうか。段々を過ぎると、雑木林の斜面の急登というのを繰り返した。薮も次第にひどくなってきて、特にツルに絡まれて、体を引き抜くのに苦労した。少し高い所の枝にビニールテープが付けられており、冬に登る者もいるようであった。
 尾根の上の雪は殆ど消えていたが、高度を上げていくと、次第に雪を伝うことができるようになった。ワカンは持ってきていたが、坪足で充分であった。530mピークに登ると、周囲の展望が広がった。ひと休みにはうってつけのピークであった。谷向こうの金倉山が大きく、山頂の展望台も見分けることができた。大峰山は、目の前に台形の山頂を見せており、痩せ尾根が続いていた。尾根の上は、雪で木の枝が横に倒れており、一歩ずつ枝をかき分けながら進まなければならなく、短い区間であったが、やっかいな歩きになった。山頂手前では、黒雲が頭上にやってきて、雨粒も落ちてきた。
 最後に、雪の斜面をキックステップで登ると、大峰山の山頂に到着した。大峰山の三角点は、登り着いた西よりのピークに置かれている。もっとも、一面の雪原で、三角点を見つけることはできなかった。最高点は、雪源を少し進んだ、僅かに上がったところであった。先に進んで、最高点であることを確かめた。東の尾根の先には、杉の植林地が延びてきており、やはり、蓬平方面からの方が近かったようである。鋸山方面の稜線は雲に隠されていた。朝方雨の後は晴になるはずだったのだが、すっきりしない天気になった。
 530mピークに戻って、雪原に腰を下ろしてひと休みした。谷を見下ろすと、残雪の中に広がる木々は薄緑色に染まっていた。里から山へと、春も移動を始めたようである。下りでも蔦に絡まったりして、歩くペースは登りとあまり変わらなかった。ともあれ、気に掛かっていた山がひとつ片づいたし、春山を楽しむことができた。

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