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薬師山


【日時】 2000年2月12日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り後雨

【山域】 白山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 薬師山・やくしやま・190m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/加茂
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:20 新潟発=(R.49、茅野山IC、R.403、新津、加茂、黒水 経由)=9:35 南東山麓林道入口〜9:42 発―10:30 薬師山〜10:43 発―11:13 160ピーク手前鞍部―11:21 登山口―11:30 南東山麓林道入口=(七谷コミュニティーセンター入浴、往路を戻る)=14:10 新潟着

 新潟平野の縁に沿って広がる新津丘陵は、その背後の白山山塊とは国道290号線によって区切られている。村松方面から山越えをしてきた国道290号線が、加茂川のほとりに至って南に方向を変える角に、薬師山がある。山頂には石の祠が置かれ、岩野橋のたもとからと、南東の水田脇からの登山道が整備されている。

 昨日は、白山の麓の城山に登った後に加茂川沿いに出て、もうひと山ともくろんだが、吹雪状態になってそのまま家に戻ることになった。その続きということで、再び加茂に向かって車を走らせた。新潟平野は雪は無くなっているが、加茂の町を過ぎると、周囲の山にはたっぷりと雪が見られるようになった。新津・加茂の丘陵を越してきた雪雲が、白山・粟ヶ岳にぶつかって雪を降らせているようである。低山といえども、ラッセルは避けられない。
 薬師山に登山道があるのかどうかについての情報は持っていなかった。岩野橋を渡ったあたりから取り付くのは、林道でさえも雪に埋まっている状態とあっては、山に近づくだけで体力を消耗しそうであった。地形だけを見れば、上戸倉の集落に通じる車道脇から南尾根を登るのがよさそうであった。
 国道290号線から上戸倉への道に曲がり、南尾根に取り付こうとして山の斜面を見ると、間に沢が入っていて、山に取り付けないことが判った。少し先に進むと、北に向かって林道が分かれて、山間の水田の奥に続いていた。ここからなら山に取り付くことができるので、除雪の雪置き場になっている林道入口に車を停めて歩き出す用意をした。
 尾根に挟まれた谷間状の雪原を登り始めたが、雪が深いため、左の尾根に取り付くことにした。尾根の上に切り跡でもと思ったが、潅木の薮が続いた。薮の密度は濃くはないとはいえ、木の枝をまたぐ時にワカンが引っかかるため、なかなかペースは上がらなかった。昨日の雪のためか、枝に湿った雪が張り付いているため、枝をかき分けるうちに頭から濡れてきてしまった。大分登ってきたかなと思って振り返ると、車道がまだ足元に見えた。それでも、次第に石高城山の山頂が見えるようになってきて、高度をかせいだことが判った。途中で、植林の作業道のようなものが、右手から尾根まで延びてきていた。枝を掴んで体を持ち上げる、体力のいる登りが続いた。それでも次第に傾斜は緩くなっていき、頂上も近づいてきた。最後は、緩やかな稜線を奥に進んでいくと、薬師山の山頂に到着した。
 薬師山の山頂は広場になっており、小さな石の祠が置かれていた。祠があるということは、参道があるのだろうと思って見渡すと、山頂の西の縁にピンクのテープが付けられており、道が下っているようであった。どうやら、これが黒水からの参道のようであった。さらに、北に向かっても切り開きが続き、ここにもピンクのテープが付けられていた。このピンクのテープは、以前、隣の猿毛岳でも見かけたが、地元の山岳会がコースの整備の一環として取り付けたもののようである。北の道は、どこに通じるのか疑問が湧いてきた。
 疑問はさておき、まずは眺めを楽しむことにした。眼下には加茂川の流れと、黒水の集落を見下ろすことができた。また、白山方面の展望も開けていたが、その山頂は雲で隠されていた。小さな山ながら、独り占めの山頂はうれしい。
 来た道を戻るのは容易いが、登山道が整備されているなら、下りだけでもそれを使ってみなければならない。様子をうかがうと、北方向の道は、広く切り開かれ、緩やかな稜線通しに続いているようであった。この道を下ってみることにした。ピンクのテープの列が続いていた。北西の尾根を下るのかと思っていたが、北東の尾根へ。それでは、次の北東尾根かと思ったが、コースは北東に向かって続いた。鞍部を越して、160点への登りになった。ピークに出たところで、切り開きはなくなり、ピンクのテープも見あたらなくなった。雪も降り出して、視界も悪くなってきて、少し困った状態になった。いずれの方向にせよ、それなりのコースを考えれば下ることはできそうであったが、引き返すことにした。160点から下っていくと、鞍部手前で、南に向かうテープを見つけることができた。はっきりした道がピークに向かって続いており、また北の国道290号線方面に下るものと予想していたため、南の脇にそれるテープを見落としたようである。テープに従って下っていくと、左右に沢が走る中尾根沿いの道になった。杉林の中を下ると、水田脇に飛び出した。
 この入口には、薬師山の登山口の標識が立てられていた。雪に埋もれた水田を歩いていくと、車道の交通標識が前方に見え始め、山腹を回り込むと、停めておいた車が目の前にあった。図らずも、周遊コースを歩いたことになった。林道脇の木を見ると、確かにピンクのテープが付けられていた。歩き始めの時には、なんの意味か知りようがなかったが。まさか登山口の脇から薮コギを始めていたとは、思いもよらなかった。
 ひと休みしてから、西に続いた道を確認しに黒水の集落に向かった。岩野橋を渡ったところに、薬師山の登山口の標識がたっていた。ここからが、表参道のようであった。薬師山は、地元ではそれなりに登られている山なのだろうか。
 もう一山という願いもむなしく、降り出した雨は止みそうになく、七谷コミュニティーセンターで風呂に入って、山はお仕舞いになった。
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