0012

城山


【日時】 2000年2月11日(金) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り後雪

【山域】 白山山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 城山・じょうやま・242m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 なし

【時間記録】 7:30 新潟発=(R.49、茅野山IC、R.403、金津、丸田、中野橋、R.290、南田中、下大蒲原 経由)=8:50 下戸倉〜9:00 発―9:11 水田上部―9:27 鞍部―9:38 城山〜9:46 発―9:54 鞍部―10:05 水田上部―10:19 下戸倉=(上戸倉、出戸、加茂、R.403、新津、茅野山IC、R.49 経由)=12:15 新潟着

 白山は、新潟周辺の日帰り登山の山として、五頭山や菅名岳とならんで人気が高い。この白山から、宝蔵山、権ノ神岳を経て粟ヶ岳に至る稜線は、登山道が整備されているが、歩く者は少ない。白山と宝蔵山の間は緩やかな稜線となり、川内山塊を眺めながらのプロムナードコースになっているが、その途中の890m点から北西に尾根が派生し、烏帽子岳(820m)、荒沢峰(688.2m)を経て下戸倉に続いている。この尾根の末端部に位置する小山が、城山である。西山麓に回り込んでしまうと平凡な丘にしかすぎないが、村松方面から近づくときには、北側が急な斜面となり、白山の出城と言った風情をただよわせている。

 この週末は三連休となった。例年ならば、雪の無い関東あたりの山に向かって車を走らせているところだが、今年は、新潟の山にこだわってみることにした。天気が良いなら、菅名か五頭山あたりの少しは高い山を歩いてみようかと思っていたが、雨か雪の予報が出て、あいかわらずの低山歩きを続けることになった。
 1月の終わりに、「越後白山」の2.5万分の1地図の中の丸山と薬師山に登ったが、同じ地図の中に白山の山裾にある城山が残されていた。標高も200mたらずなので、そう時間はかからず、後は加茂方面の低山巡りに続ければよいということで出かけた。
 村松が近づくと、曇り空ながらも、菅名山塊や白山の眺めが広がった。路面にはシャーベット状の雪が残り、除雪車が出動した様子であった。この天候なら、少しは高い山でも登れたのではと、心が揺れ動いていたが、雪も降ったことならばとそのまま城山をめざした。上大蒲原を過ぎて下戸倉の集落が近づいてくると、目的の城山はすぐにそれと判った。北面は切り落ちて、小さな山ながら、目を引く姿をしていた。もっとも、その目は、続けて、城山から緩やかな稜線を経て、鋭い山頂を見せる荒沢峰に向かってしまった。地図には記載されていないが、藤島玄氏の「越後の山旅」に名前が載っている山である。その背後に僅かに頭をのぞかせているのが、烏帽子山なのか。以前に、佐藤さんがLATENEに報告していたのを思い出した(第5巻)。それ以外には報告は無いようだが、実際に荒沢峰に向かい合うと、実に登頂意欲をそそられるピークであった。路肩に車を停めて地図を確認すると、荒沢峰までの尾根にはそれほどの難所もなさそうであった。幾つかのコースが考えられるが、まずは偵察がてら城山に登ってみる必要があった。
 城山に道があるのかどうかは判らないが、いずれにせよ積もった雪のため、コースは地形に合わせて自由にとることができる。城山の北面は切り立っているので、まず南の鞍部に上がることにした。この鞍部から南に延びる稜線は、荒沢峰に続くので、様子を見たくもあった。県道脇に車を停めて、まず下戸倉の集落の南にある鳥居マークの脇の田圃マークの書かれた谷間をめざした。集落内に入り、田圃の左側の竹林の脇の農道を進んだ。雪の量は、多い所で膝くらいなので、坪足でそのまま進んだ。田圃の右側に沿って林道が走っているのに、途中で気が付いた。田圃の上部で、この林道に乗った。杉林の中を真っ直ぐ登っていくと、林道は、左にカーブして山腹に上がっていった。杉林の中に作業道が続いているようなので、林道から分かれて、そのまま真っ直ぐ進んだ。杉林の中では、雪の量は少なくなった。右手に枝尾根が低く迫ってきたが、谷間の傾斜はそれほどきつくないため、そのまま進んだ。杉林を抜けると、雑木林の広がる鞍部に出た。
 稜線上の踏み跡はとみると、どうも無さそうであった。城山に向かって雑木の尾根を進んだが、木の間は空いており、ヤブコギというほどのことは無かった。頂上が迫ったところで、道形が現れた。雪のために確認はできなかったが、東面の城ノ入川方面から上がってきたような感じであった。城ノ入川の左岸には林道が走っており、そこに続いていても不思議はない。
 城山の山頂手前で、石灯篭がひとつ雪帽子を被って佇んでいた。山頂には、その他の祠は見あたらなかったが、杉が植えられていたのは信仰の山の印か。北の縁に進むと、展望が広がった。雪原に囲まれた下戸倉の集落を見下ろすことができ、高度感もある眺めであった。丸山、薬師山、猿毛岳と、近くにある登った低山を目で追った。時々薄日がさす天候に、心が揺れた。雪の量も多くはなく、荒沢峰をめざしてもなんとかなるのではないだろうか。しかし、地図を確認すると、城山からの尾根は、傾斜は緩いものの、距離が長いのが難点であった。雪の締まった残雪期なら距離はそう問題にはならないが、雪の柔らかい今の季節は、大きな問題となる。今回は諦めることにした。
 戻る途中、招くように白山の山頂が顔をみせた。田圃の上部からは、林道を歩いた。所々吹き溜まりとなり、田圃の脇道の方が歩き易かった。人家の手前に鳥居が現れた。あとで道路地図を確認すると、十二社のようであった。
 荒沢峰への尾根を偵察したのち、加茂方面の山をめざしたが、加茂川沿いに出ると、天候が急変して吹雪状態になった。山の姿も見えない状態ではと、一ピーク登ったことと、春になったら登りたい山として荒沢峰を知ったことで満足し、時間は早いが家に帰ることにした。

山行目次に戻る
ホームページに戻る